前回の続き
台帳作成については、資料を整理し始めた当初から、美術館関係者のOCC Lab.研究員や美術館等へのインターンシップ経験者の友人にいろいろお話を聞いて自分なりに整理してきました。
実際に美術館などの収蔵品整理に使われている収蔵品管理ソフトとしては以下のようなものがあるそうです。
ファイルメーカー(ファイルメーカー社)
アクセス(マイクロソフト社)
エクセル(マイクロソフト社)
これらいずれかのソフトウェアでと紙台帳との、デジタル・アナログ2種併用管理が一般的だということでした。
長万部写真道場研究所(以下、OCCL)は、基本的には予算ゼロ、もしかしたら作品の管理をしかるべき団体に寄託or寄贈することも考えられる(OCCLが資料を永年維持できるとは考えていない)というところから、あまり特定のシステム環境に依存させることは好ましくないのではないかというご助言もいただきました。
そういうことで、当初はFlickrを台帳代わりに使用していました。
鍵付きの画像をアルバムにまとめて管理し、OCCL研究員のみに公開していました。
このアルバムをメーリングリスト上で共有し、いろいろとコメントや助言をいただくこと、写真の面白さを共有することが、整理の大きなモチベーションになっていました。
整理を始めた時期、ノルウェーやイギリスの図書館等、海外の様々な公共施設がFlickrを使って所蔵資料を公開するようになったころで、こういった動きにも影響を受け、可能性を感じていました。
ノルウェー国立図書館 https://www.flickr.com/photos/national_library_of_norway/albums
大英図書館 https://www.flickr.com/photos/britishlibrary/albums
ただ、Flickrを使って写真にコメントやタグを付けて整理していくということは可能なのですが、データベースそのものをオフラインで使用できるように別形式でエクスポート(出力)するということが想定されていなかったのがネックでした。
Flickr上で蓄積されたデータは、もしもFlickrがサービス停止されてしまえば参照不可能になってしまいます。
Flickrと相互連携する形で別の整理手法もないものかと考えていた時、画像データそのものにメタデータ(exif)を付与することができるということを知り、画像の中に直接様々な情報を詰め込むという方法もありえるなと思いました。
スマホで撮った写真なんかでも、日付や位置(GPS)データのようなもので、写真を整理することがあると思います。その日付や位置データそのほかいろいろ、画像に付随する情報をメタデータと呼びます。画像のプロパティを参照することでメタデータの一部は直ぐに参照、書き換えることができます。
この方法でタイトルの入力とかはできるのでやってみたのですが、何十、何百枚のデータの一括編集には向いていないんじゃないかなあと体感しました。(それ専用のUIとかのプログラミングを組めれば簡単なのかもしれませんが…)
また、苦労して編集したメタデータがあっても、Flickrに画像をアップするときは反映されないので、Flickr上で同じ件名等再入力しなければいけません。またメタデータは画像そのもののダウンロード・アップロードの繰り返しや編集する過程で失われたりする場合もあります。
複数人で取り扱うのには向いていないのかもしれないなあと思ってこの方法は断念しました。
先述のファイルメーカーやアクセスは初期投資や継続投資が必要なので使用は見送り、エクセルで台帳を作成することにしました。
結果的には以下のようなフォーマットにしました。
特に地元教育委員会の収蔵品台帳の形式を参考にしました。
ようやく台帳化が完了したのが今年。
前回の記事でプリンターインクが無い!と言ってましたが、翌日無事に隣町で購入できまして、台帳の出力を行いました。
出力したら、こんな感じです。「経過」欄には展示データを記載したり、遺族の方に写真を現像したらその記録も記載したりしています。足りなくなったらどうしようと思いつつ、5行ぐらいにしておきました。
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