長万部写真道場研究所

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青森、「澤田教一:故郷と戦場」展

先週末に青森市へ行ってきました。
OCC Lab.東京支部メンバーの亀海史明くんも同行してくれました。青森駅で合流。

澤田展の会期は今月12月11日までです。行ける方は是非とも。
常設展「澤田教一展関連企画 身捨つるほどの祖国/小島一郎・寺山修司」とともに、ぜひぜひ!
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展示は見ごたえあり、早足でも3時間は欲しいところです。常設展も見るなら4時間できつきつ、ヘトヘトで見終える感じかも。
私たちは2日かけて(のべ5時間ぐらい?)鑑賞しました。

今回は、三内丸山遺跡をさらっと見て、澤田教一展をじっくりねっとりと見て、企画を担当されている青森県立美術館学芸主査の高橋しげみさんにお会いしました。
高橋さんには澤田展に向けた今回の調査に使ったデータを見せていただいたり、方法などお聞きして(ちょべっと聞いただけですが)、非常に参考になりました。昨年は共和・札幌でお会いし、掛川写真委員会管理の掛川写真とともに、長万部写真道場のプリントを見ていただいていました。いろいろと四方山話含めてお話でき、面白かったし勉強になったのはまちがいないのですが、こんなに近くにこんな仕事をされている方がいるのだと思うと心強かったです。
やっぱりいわゆる「青函圏」の、切っても切れない津軽海峡の縁があるような気がして、なんだか近しい思いが勝手にしてしまうのでした。笑

今回は、本当にいろいろとお世話になりました。
ありがとうございました。

また行きます、青森!


●交通についての覚書
北海道から青森への移動は、便宜上札幌を起点に考えると大まかに3つに分けられます。
1)飛行機を使う
例:[新千歳空港]-飛行機-[青森空港]-JR東北バス-[青森駅前]
2)新幹線を使う
例:[札幌]-JR-[新函館北斗]-新幹線-[新青森]-JR-[青森]
3)フェリーを使う
例:[札幌]-中央バス-[苫小牧]-フェリー-[八戸]-JR-[青森]

3つ目にあげたフェリーの場合、「札幌・八戸なかよしきっぷ」というパッケージがあるので、
学生なんかは、これを使うと札幌から八戸までは往復一万円ちょっとです。
近いぞ青森!

ちなみに11日は弘前で雪雄子さんの舞踏公演があるそうで、舞踏好きなのでちょっと羨ましい。
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●展示所感
澤田は、小島一郎の写真館で働き始め、そのまま三沢基地の支店を任せられたそうです。
その時代の展示で、米式の近代建築物や戦闘機の並ぶ三沢基地内の写真とともに、すぐ隣の小田原湖の漁夫の生活を写した写真が二枚並べられていました。川が氾濫すればすぐ流されるだろうような木造の漁師番屋、藁葺き屋根、うなぎ漁用のたも網、岸に着けられ所在なさげに浮かぶ一隻の木船、地面に散らばる飯釜と木桶(いまはどれも作る職人が減ってて大変だと聞いたな)、3人の漁夫。
この風景を三沢基地のそれと比較したときの衝撃と、長万部の同時代の漁業風景とそう変わらない素朴さではないかという安心感を覚えた、不思議な雰囲気を持った写真でした。

ベトナム戦争従軍以降の彼の報道写真を、緊張しながら見て行って、すべての写真を見終わって、一息ついて私は最後にはこの番屋の風景を思い出した。
三沢基地内写真館時代、UPI記者時代を通じて、アメリカ兵たちの近くで過ごし、自分自身をアメリカ的なものへ近づけていこうとしていったように見える澤田の人生の原初が、そもそもは、ああいった1950年代ごろの青森の風景だったのかもと納得させられてしまった。だとするとさらに目眩がしそうになるのですが。
なんだか、人の代わりに俺が大事な記憶を留めといたんだと写真が言ってるような気がしましたよ。
まさにその写真が絵葉書にもなっていたので、買って帰りました。


DATE 以下、青森県立美術館より引用

青森県立美術館開館10周年記念
「生誕80周年 澤田教一:故郷と戦場」
Sawada Kyoichi: From Home to Battle Zone

展覧会チラシ (PDF/2.6MB)

1936(昭和11)年に青森市に生まれた澤田教一は、1965年、戦火の絶えないインドシナ半島に赴き、カメラマンとして活躍しました。ベトナム戦争が拡大の一途にあった時期、激戦地での撮影を続けた澤田は、34歳で銃弾に倒れるまでの約5年間に、数々の傑作を世に出し、報道写真界の頂点に上りつめます。ピュリツァー賞受賞作に含まれる《安全への逃避》(1965年)では、戦闘で故郷を追われながら、必死に生き抜こうとするベトナムの人々の姿を捉え、世界中に戦争の過酷な現実を突きつけました。
当館は、澤田教一夫人の澤田サタ氏から、2014年度より、フィルムや電送写真原稿など、多くの資料を寄託されました。この展覧会では、それらの調査に基づき、未発表のカットを含む写真や資料300点余りを展示いたします。写真に写し出された故郷と戦場、そこに交錯する生と死を通じて、澤田教一が身を賭して追いかけたものにせまります。

会期:2016年10月8日(土)-12月11日(日)
休館日:10月11日(火)、24日(月)、11月14日(月)、28日(月)
開館時間:9:30-17:00(入館は16:30まで)

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